一言でいうとバブルな作品です。イケイケのフォトグラファーの主人公が女子大生と一夜を共にするけど、実は性的不能で困ったな、というどうしようもなくひどいレベルのお話。
(当時の)都会的な雰囲気と、性的不能という(当時の)同時代的なテーマが、芥川賞選考員の方々には刺さったのか、あるいは出版社の陰謀か、バブル時代の世相を色濃く反映した「時代の記録」としての価値はあるのかもしれませんが、文学作品としてはお粗末でした。
性的不能は自分の中で喪失した何かのメタファーなのでしょうが、子供の頃の記憶や家族の思い出が長々と語られ、結論として「ムスコよ、元気になーれ!」という話になると、本当にずっこけてしまいます。なんなんだ、これは。。
1991年受賞の「背負い水」と双璧をなすひどさでした。発表当時どういう評価だったのかがむしろ気になります。
↓アマゾンのレビューではまあまあ無難な評価。好きな人は好きなのかなあ、、
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