背負い水/荻野アンナ(1991年上半期受賞)


いかにもバブル期的なイケイケの作品。個人的には1990年代の芥川賞作品のなかでは最下位。本当につまらなかったです、、
感じとしては柳美里の「家族シネマ」みたいなイメージ。

その当時はきっと同時代性があって、イマドキの空気感を纏った作品だったんだろうなと想像されますが、さすがにもう古いし、そこに普遍性を見出すことはできませんでした。(バブル世代のなかには20年経ってもまだこんな人いるよな、、という意味で現在との接点を感じましたが)

しかし、古い作品の中にも、本作のようにリアルに古臭いものと、古さを感じさせない作品がありますが、その違いは一体何なんでしょうか??

もちろん大きいのは舞台設定だとは思いますが、人の考え方みたいなものも普遍的なものと、そうじゃないものがあるのかもと思いました。

本作がまさにそんな印象で、街並みや服装が古いというよりは発想が古いという感じ。

人の考えや価値観も時代によって変わることを痛感しつつ、なるべく変わらないようにしたいなという反面教師にはなりました。

↓アマゾンではそこそこの高評価。共感系の作品は共感できるかどうかにかかってるんだな、ということを感じました。

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