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毎日楽しく過ごす若いゲイカップルの日常を描いた物語。ゲイだけでなく、トランスセクシャルなど、性に自由な世界の人々が普通に生活する様子が描かれるのですが、選考委員の中に「今どきの若者の姿が軽やかに描かれている」みたいなことを言っているのは、「おいおい！」と言いたくなります。
一方、石原慎太郎さんなどの「ゲイを描くことに何の理由があるのか？」という発言には賛成です。はっきりいってこの受賞はイケてない。
ゲイを描いていること自体がこの作品の受賞理由と思われ、もしかするとゲイの読者にとっては、あるあるネタなのかもしれませんが、多数派の読み方はマイノリティの実態レポート的な好奇と期待があるわけで、普通の日常を淡々と描かれても、だから何なのかという気持ちになります。
人前で手を繋いで歩くようなゲイカップルを普通に描くことが現代的だと考えているならば、浮世離れしていると言わざるを得ず、たしかに身の回りにもゲイの人はいるとしても、やはり偏見や差別の目で見てしまうのが依然として世間の現実で、そこをフラットに描こうというのは頭でっかちな試みだと思います。
それを踏まえたうえで、「こちら側の視点」でのアプローチであれば、もう少し面白くなりそうですが、本作は「あちら側の視点」なのでちょっと読みどころが見当たりませんでした。
↓アマゾンの評価は普通。ネタがネタだけに批判しにくい感も。。
夏の約束 (Amazon)
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