日蝕/平野啓一郎(1998年下半期受賞)


芥川賞で周期的に登場する難読&ペダンチックなキッツイ作品です。発表当時のことは全然知らなかったのですが、三島由紀夫の再来というキャッチフレーズで売り出された作品のようです。しかし、これは三島由紀夫とはだいぶ違うと思います。

確かに難しげな文章や禁忌に触れるようなモチーフは三島由紀夫的な雰囲気がなくもないとは思いますが、この読みづらさは決定的にダメです。だいたいにおいて漢字が難しすぎて読めません。。

ストーリーとしては中世のヨーロッパでパリの修道士が旅に出て、とある村で錬金術士に出会い、異端とは何かについて思索にふける、という話。

前半はひたすら中世の神学や哲学についてのウンチクが続き、これは真面目に文字を読んでいたら一生読み終わらないと思い、読むのを諦めかけたのですが、いやいや、しかし芥川賞読破プロジェクトなんだから、ともかくは読破はせねばと踏みとどまり、中盤以降はザザッと斜め読みに切り替えました。

しかし、この作品はどうせ何も起こらないと思ってましたが、意外にも後半には物語が展開を見せて、ドラマチックな終焉を迎えるのですが、逆にそういうことなら最初からもっとわかりやすい文章で書いてよ!と言いたいです。

ただ、これを平易な文章で書いてしまうと、ファンタジー小説のようなチープな感じになって、面白いか面白くないかは別にして、少なくとも芥川賞は受賞していなかったと思います。

一方でチープな話を小難しく書いたら芥川賞が取れるというのもおかしな話です。

難読と言えば、円城塔さんの「道化師の蝶」も相当なものですが、あちらはストーリーを理解するのが難しいという意味での難読ですが、この作品は漢字が難しい、文章が回りくどい、という意味の難読で、不快指数はこちらのほうが上です。

ほんとに芥川賞って何なんだろ、、

↓アマゾンでは小難しいだけで薄っぺらい的な口コミが多いです。
日蝕/平野啓一郎

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