30代の主人公女性と、キモい60代男性のなんとも微妙な恋愛関係を描いた作品。ネットであらすじを見ると、「社会に疎外されながらも、少しずつ心を通わせる2人」みたいな紹介のされ方をしていましたが、この作品はそういう話じゃないだろ!というのが率直な感想。
そもそも、この2人の関係は恋愛関係と言っていいのかも疑問です。主人公の女性のどーでもいいや、というあきらめ感、無力感がどこから来るのかよくわかりませんが、とにかくちっとも共感できません。
いやまあ、そうは言っても、恋愛や結婚なんて、多かれ少なかれそんなもんだよ、という見方もわからなくはないのですが、だとしてもさすがに60代のキモ男は極端すぎるでしょう。
この作品に限らず、芥川賞作品ではありがちですが、だから何なのか、何を伝えたいのか、読者に何を感じてほしいのかがさっぱりわかりませんでした。30代の女性が読めば、この作品の良さがわかるのかなぁ??
「ハリガネムシ」みたいに破滅的な話ではありませんが、何か同じような臭いがする、個人的には不快感を感じる作品の一つです。
芥川賞選考委員のなかでも、石原慎太郎さんの「何の感動も衝撃も感じなかった」、村上龍さんの「小説として単につまらない」というコメントに、今回ばかりは激しく賛成です。
そう、一言で言うと、つまらなかったです。
↓アマゾンでの評価も平均で2.4点と、数ある芥川賞作品の中でも相当低評価。
しょっぱいドライブ/大道珠貴
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