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謎のタイトルですが、貴子と永遠子という意味でした。
子供の頃、葉山の別荘で出会った仲良し2人が大人になって再会して当時を思い出す、というようなストーリー。
個人的に毒のある小説はあまり好きじゃないので、
この作品のほんわかした世界観は嫌いじゃないです。
当時の自分の視点と現在の自分の視点を交差させながら、
時空を超えて、「あの頃」を振り返るのですが、
よく言えば表現が文学的、悪く言えば回りくどくて、
描かれている場面を把握するのが容易ではありません。
だいたい登場人物の人間関係を理解するのが大変で、
何度もページを見返しながら理解に努めたのですが、何度読んでもよくわからず。。
読み進めていけば、どういう血縁関係にあって、
それぞれ何歳ぐらいの設定なのかがわかってくるのですが、
一読者のささやかな希望として、そこは序盤で説明してよ!と言いたいところ。
(ストーリー上さほど重要でもないので、意図的に伏せているわけでもない気がします)
さらに芥川賞にありがちな、「なんかいい感じだけど、ストーリーがいまいち」のパターンで、
設定はいいけど、これといって何も起きません。
大人になってからの2人の会話もなんか安易な感じがするし、
もしかするとこの人は小説家よりも詩人のほうが向いているんじゃないかという気がしました。
↓アマゾンのレビューではボロクソ書かれてます。
個人的にはそこまでボロクソでもないと思うのですが。。
きことわ/朝吹 真理子
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