猛スピードで母は/長嶋有(2001年下半期受賞)


奔放な母親と大人しい息子の母子家庭を描いた物語。

正直、自分自身どちらかというと真面目に生きている方なので、
奔放な生き方の母親の方にはあまり共感できませんでした。


一方、息子のほうの気持ちはとてもよくわかるのですが、
快不快で言うと、あまり快いものではありません。

自分が似たようなタイプの子供だったからかもしれませんが、
物語として受け止めるのがしんどいです。

全体として、「ザ・ノンフィクション」のような、
少々不幸な家庭の事情を覗き見るような居心地の悪さがあり、
だから何なんだよ!という読後感でした。

描写はあるある系のネタが満載で、それがリアリティなのかもしれませんが、
小説ってそれだけじゃないと思うんだよなあ、、

たぶん小説に対する好き嫌いの問題なのですが、
この手はあまり好きじゃないというのを改めて自覚させられました。


↓アマゾンのレビューでは評価高し。
うーん、好みはそれぞれですな。
猛スピードで母は/長嶋有

2000年代の受賞作一覧に戻る

芥川賞作品レビュー