里とは隔離された山村を舞台に、閉鎖的な社会の因習とも言える「村のしきたり」に縛られて人生を送る人々と、そこで年に一度行われる榧の木祭りを描いた作品です。
芥川賞読破プロジェクト
純文学の登竜門、芥川賞。昔から直木賞と違って、芥川賞は小難しくて面白くない作品が多いと言われますが、本当にそうなんでしょうか。いまさら改めて、芥川賞受賞作品を1冊1冊読み返してみました。
芥川賞作品レビュー
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榧の木祭り 里とは隔離された山村を舞台に、閉鎖的な社会の因習とも言える「村のしきたり」に縛られて人生を送る人々と、そこで年に一度行われる榧の木祭りを描いた作品です。
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自動起床装置 (新風舎文庫) 通信社の仮眠室で眠る人々を起こす「起こし屋」のアルバイトをする主人公と相棒の聡。これまで人力で快適な目覚めを提供することに腐心してきたのに、自動起床装置なるものが導入されることになり、、というお話。
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犬婿入り (講談社文庫) 犬が婿入りするという「犬婿入り」という民話のような出来事が、現代の新興住宅地で本当に起こる、というおとぎ話系の作品です。 主人公は学習塾の女教師で、そこに見た目は人間だけど、中身は犬のような謎の男性が転がり込んできて、なぜか結婚生活のよ...
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ハリガネムシ 高校で倫理を教える教師が、裏社会に生きるソープ嬢と堕落した生活を送り、めちゃくちゃになる話。倒錯した性と暴力を描いた、典型的なそっち系の作品という印象です。 この作品は数ある芥川賞受賞作のなかでも、かなり好きになれない部類です。 「醜悪なものを描...
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中陰の花 現役僧侶が描いた僧侶の話として話題になった作品。作者の人柄が現れたようなとても安定感のある文章で、ああ、こういうのがやっぱり文学であり、芥川賞だよなあ、としみじみ思えるような良い作品でした。
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石の来歴 (文春文庫) 趣味で鉱物を研究する主人公が、石に興味を持つきっかけとなったレイテ島の悲惨な戦場の記憶と、戦後に家族に起きた事件を重ね合わせるミステリアスな作品です。
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ダイヤモンドダスト (文春文庫) 軽井沢に暮らす看護師の主人公とその家族の物語。記念すべき第100回芥川賞受賞作品です。節目の受賞にふさわしい、これぞ純文学ともいうような正統派の作品でした。
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ひとり日和 芥川賞にありがちな「何も起こらない」系の作品。 入浴しながら50分ぐらいで読み終えました。 あらすじとしては、ぼんやりした生活を送っていた二十歳のフリーターの女の子が人並みに社会人の一歩を踏み出す、という、ただそれだけのストーリー。