蔭の棲みか/玄月(1999年下半期受賞)


大阪の在日朝鮮人の集落を舞台にした作品。戦中・戦後の在日朝鮮人の苦難の歴史が描かれており、自分自身あまり詳しく知らなかった世界なので、とても興味深く読めました。

しかし、主人公を含めたくさん登場人物が出てきますが、短編ということもあり、イマイチ説明不足で、せっかくの壮大な舞台装置が消化不良の感が否めませんでした。

結果、在日朝鮮人という世界の存在を知らしめることには成功していますが、だから何なのか、何を言いたいのかは伝わってきませんでした。

後半の中国人の暴行事件やらボランティアの女性のエピソードやら、何か言いたいことを示唆している雰囲気はあるのですが、私の理解力では汲み取ることはできず。。

とても好奇心をくすぐるモチーフなだけに残念な感じでした。

↓アマゾンではレビュー数も少なく、評価もイマイチ
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